派遣で働き始めたとき、お金まわりのことで困った経験はありませんか。
私はわからないことだらけで、何度か焦った記憶があります。
最初に困ったのは住民税でした。
会社員のときは給料から天引きされていたので、自分で払うという発想がまったくありませんでした。
退職後にいきなり振込用紙が届いて、かなり慌てました。
給料日も最初は戸惑いました。
昔は
・15日締め分→同月末払い
・月末締め分→翌月15日前後払い
という派遣会社が多かったです。
次に就業した派遣会社は月末締めの翌々月末払いで、ほぼ2ヶ月間収入がゼロという洗礼も受けました。
交通費も昔は自腹が当たり前でした。
2020年の派遣法改正(同一労働同一賃金)により、現在は実費支給が義務付けられています。
それでも今だに「交通費って自腹ですよね?」と聞いてくる方がいるくらい、知らないままでいる方も多いようです。
30年以上派遣で働いてきて、最初に知っておけばよかったと思うことがたくさんあります。
このページでは、派遣で働き始める前に押さえておきたいお金と契約まわりの話をまとめました。
派遣登録がまだの方は、登録の流れを解説した記事もあわせてどうぞ。
→【派遣社員として働くための第一歩!派遣会社への登録の流れを体験談つきで解説】
給料はいつもらえるの?締め日と支払日の仕組み
派遣社員の給料は、派遣会社の締め日と支払日のルールによって決まります。
就業先の締め日とは異なる場合があるので注意が必要です。
昔は締め日が月2回あり、給料日も2回という派遣会社が多かったです。
- 15日締め→当月末払い
- 月末締め→翌月15日前後払い
給料日が2回ある場合、社会保険料はどちらかの給料日にまとめて引かれることが多かったです。
現在は月末締めの翌月15日前後払いで、給料日が月1回というところがほとんどです。
ただし派遣会社によって異なります。
月末締めの翌々月末払いというところもあり、その場合は最初の給料が入るまで約2ヶ月かかります。
私自身、就業した派遣会社がこのパターンで、ほぼ2ヶ月間収入がゼロという洗礼を受けました。
また最近は、給料日を待たずにすでに働いた分の給与を受け取れるサービスを導入している派遣会社もあります。
ただし受け取れるのは働いた分の一部で、手数料がかかる場合がほとんどです。
すべての派遣会社にあるサービスではないので、登録時に確認してみてください。
登録のときに、給料の締め日と支払日は必ず確認しておきましょう。
最初の給料日まで生活費が足りるかどうか、事前に確認しておくことをおすすめします。
社会保険はいつから入れるの?加入条件とタイミング
社会保険(健康保険・厚生年金)への加入は、以下の条件をすべて満たす場合に義務付けられています。
(参考:厚生労働省|社会保険適用拡大特設サイト)
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上
- 2ヶ月を超える雇用の見込みがあること
- 学生でないこと
条件を満たしていれば、就業開始日(初日)から加入となります。
ここで注意してほしいのが、社会保険料は日割り計算がないということです。
月の途中から働き始めても、その月1ヶ月分の保険料が発生します。
私自身、顔合わせのときに「一日も早く業務に慣れてほしいので12月28日から来てほしい」と言われて、その通りにしました。
社会保険料が1ヶ月分まるまる引かれることを知らなかったので、月初から働き始めればよかったと後悔しました。
12月28日(12月の最終勤務日)の1日分の給料では社会保険料などの控除額をまかなえず、給料がマイナスになってしまったのです。
派遣会社から「大変言いにくいのですが、給料がマイナスになるので、口座にあらかじめ不足分のお金を入れておいてください」と言われたときは、本当に驚きました。
就業開始日は顔合わせのときに自分の希望を伝えることができます。
月初からの就業を希望するのか、それでも早く働き始めたいのか、自分の状況に合わせて希望を伝えるようにしましょう。
ちなみに派遣会社のサイトのお仕事情報に書いてある就業開始日は、顔合わせ後に変わることがよくあります。
派遣先のパソコンの設定などの受入れ準備が間に合わないとか、1日からの予定が15日からになるといったことは珍しくありません。
またお仕事情報に「就業開始日〇月〇日まで応相談」のように、2〜3ヶ月先まで幅を持たせて書いてあることもあります。
お仕事情報の就業開始日はあくまで目安として、自分の希望を伝えてください。
住民税は自分で払う
会社員として働いていたとき、住民税は給料から自動的に天引きされていました。
これを「特別徴収」といいます。
派遣社員になると、派遣会社によっては「普通徴収」になる場合があります。
普通徴収とは、自分で納付書を使って住民税を払う方法です。
毎年6月ごろに自宅に納付書が届き、前年1年分の住民税を年4回に分けて支払います。
私が最初に困ったのはここでした。
派遣契約が終了した翌年、突然自宅に住民税の納付書が届いたのです。
正直なところ、給料明細を見ても手取り額にしか目がいっていなくて、社会保険料や住民税が引かれているかどうかなんて確認していませんでした。
会社員のときと同じように天引きされているものだと思い込んでいたのです。
納付書が届いてはじめて、派遣社員の給料からは住民税が天引きされないことを知りました。
年4回の分割払いとはいえ、前年1年分がまとめてやってくるので、知らないと本当に焦ります。
派遣会社によっては、給料から天引き(特別徴収)にしてくれるところもあります。
特に地域密着型の派遣会社はこうした対応をしてくれるケースがあるので、入社時に確認してみてください。
どうしても4回の分割では支払いが厳しいという場合は、税務署に相談するとさらに細かく分割してもらえることがあります。
抱え込まずに相談してみましょう。
交通費・ボーナス・退職金はどうなるの?
交通費
昔は交通費が自腹という派遣会社が多かったですが、2020年の派遣法改正(同一労働同一賃金)により、現在は実費支給が義務付けられています。
ただし支給上限が設定されている場合もあるので、登録時に確認しておきましょう。
ボーナス・退職金
お仕事情報の時給欄に「ボーナス・退職金含む」と書いてあるのを見たことがある方も多いと思います。
これは2020年の法改正により、ボーナスと退職金に相当する金額が時給に上乗せされているという意味です。
退職金分として時給の約6%が上乗せされているのが一般的です。
正直なところ、「この時給にボーナスと退職金まで含まれているのか」と思ってしまいます。
この記事を書くにあたり改めて調べてみて、初めてきちんと理解しました。
たとえば同じ時給1500円でも、「含む」と書いてある場合は退職金・ボーナス分の約6%がすでに含まれているので、実質的な時給は約1410円相当ということになります。
求人を比較するときは「含む」かどうかも合わせて確認してみてください。
とはいえ、含んでいたところで時給は時給なんですけどね。
有給休暇はいつからとれるの?
有給休暇は、以下の条件を満たした場合に付与されます。
- 雇い入れの日から6ヶ月継続して勤務していること
- 全労働日の8割以上出勤していること
フルタイム勤務の場合、6ヶ月経過した日に10日が付与されます。
ただし派遣会社によっては、6ヶ月後に一括付与するのではなく、1ヶ月目に1日、2ヶ月目に3日というように少しずつ前倒しで付与してくれるところもあります。
自分の派遣会社がどちらの方式かは、登録時に確認しておくといいでしょう。
知らずに「手続きや通院のため入ってすぐ休みたい」と申し出たら、「1ヶ月目に1日有給が付与されていますよ」と言われて、欠勤(無給)にならずに有給休暇で処理してもらえたという話もよく聞きます。
有給休暇のリセットについてもよく誤解されているので、整理しておきましょう。
派遣先が変わっても登録している派遣会社が同じであれば有給は引き継がれます。
ただし以下の場合はリセットされるので注意が必要です。
- 登録する派遣会社自体が変わった場合
- 同じ派遣会社でも、契約と契約の間が1ヶ月を超えた場合
有給休暇は派遣社員にとって大切な権利です。
いつから取れるのか、何日残っているのかを把握しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
まとめ
派遣で働き始めるとき、お金や契約まわりのことは後回しにしがちです。
でも知っているかどうかで、実際に損をしたり焦ったりすることが変わってきます。
私自身、住民税の納付書が突然届いて焦ったり、月末1日だけ働いて給料がマイナスになったり、知らなかったせいで余計なストレスを抱えたことが何度もありました。
この記事で書いたことをざっと振り返ると:
- 給料日は派遣会社によって異なる。最初の給料日まで生活費が足りるか確認を
- 社会保険料は日割りなし。就業開始日は月初を希望するのが得策
- 住民税は自分で払う。翌年に前年分がまとめてやってくることを忘れずに
- 交通費は現在実費支給が義務。ボーナス・退職金は時給に含まれている場合がある
- 有給休暇は6ヶ月後に付与。派遣会社が同じなら派遣先が変わっても引き継がれる
30年以上派遣で働いてきて、知らなかったことを後から知るたびに「もっと早く知っていれば」と思ってきました。
この記事が、そんな「知らなかった」を少しでも減らすきっかけになれば嬉しいです。
お金まわりと合わせて知っておきたい時給交渉の話はこちらで解説しています。

