派遣登録が終わって、いよいよ仕事探し。
でも、「顔合わせって面接と何が違うの?」「何を聞かれる?」「落とされることはある?」「断ることはできる?」と不安になる方も多いと思います。
顔合わせには派遣会社の担当者が同行するため、一人で全部背負う必要はありません。
もし職場の雰囲気や条件に違和感があれば、無理に進まず断ることもできます。
この記事では、40社以上の派遣先を経験してきた筆者が、顔合わせ当日の流れや準備に加え、自分がストレスなく働ける職場かどうかを見極めるために私が実際にチェックしていることまで、体験談を交えながら解説します。
読み終わる頃には、必要以上に身構えなくても大丈夫だと感じてもらえるはずです。
顔合わせ・会社見学とは?面接との違い
顔合わせとは、派遣会社の担当者・派遣スタッフ・派遣先企業の三者で行う、仕事内容や職場環境の確認の場です。
所要時間は15〜30分ほど。
職場見学まで含まれる場合は、1時間程度になることもあります。
「顔合わせ」「会社見学」という呼び方になっているのは、労働者派遣法で派遣先企業による選考が禁止されているためです。
そのため、建前上は「面接」という言葉を使いません。
また、通常の面接と違って、住所や家族構成、前職の会社名などを聞かれることは基本的にありません。
ただ、現実的には第一印象や受け答えはかなり見られています。
受け答えやコミュニケーションの様子が、その後の受け入れ判断に影響することもあります。
身だしなみや受け答えの準備はしておくと安心です。
エントリーから顔合わせ決定までの流れ
エントリーの2パターン
顔合わせまでの流れは、大きく2パターンあります。
- ひとつは、自分で求人を見つけてマイページから応募するパターン。
- もうひとつは、派遣会社から電話やメールで求人を紹介されるパターンです。
電話で案件紹介を受ける時は、その場で企業サイトを見ながら話すとかなり便利です。
仕事内容や会社規模のイメージが掴みやすくなります。
エントリー後は社内選考がある
エントリー後は、まず派遣会社内で社内選考が行われます。
複数の応募者の中から候補者が絞られ、その後スキルシートが派遣先へ送られます。
なお、「まだ社内選考中」と聞いていたのに、派遣先側で見送りになっているケースもあります。
派遣は、思っている以上に裏側で同時進行しています。
スキルシートとは?
スキルシートは、派遣会社が作成する職務経歴書のようなものです。
氏名はイニシャル表記になり、過去の勤務先名は伏せられます。
職種ごとの経験やスキルが整理されるため、転職回数が多い場合でも経歴が見えやすくなるメリットがあります。
ただし、派遣会社側が作成するので、内容にズレがあることもあります。スキルシートの詳しい活用方法はこちらの記事もどうぞ。
関連記事:▶派遣のスキルシートとは?書き方と登録時のコツを40社経験者が解説【体験談あり】
顔合わせ前にやっておきたい企業リサーチ
事前に派遣先の企業サイトを軽く見ておくだけでも、当日の安心感がかなり変わります。
最低限、次のあたりは見ておくのがおすすめです。
- どんな会社なのか
- どんなサービスを扱っているのか
- 創業年・従業員数・事業規模
- 支店数や部署数
さらに口コミサイトなどで評判を見ておくと、「自分に合いそうか」の判断材料にもなります。
紹介電話の段階で違和感を持てるようになると、ミスマッチも減ります。
顔合わせ当日の服装・持ち物
服装
「オフィスカジュアルでOK」と言われない限り、スーツで行く方が無難です。
派遣会社から「スーツで来てください」と言われることがほとんどで、私自身オフィスカジュアルで行ったことはありません。
久しぶりに着るスーツやブラウスは、当日慌てないよう事前に一度着てみることをおすすめします。
ボタンが留まらない、チャックが上がらないは実際に起きます。
持ち物
- 筆記用具・メモ帳
- クリアファイル
- A4書類が入るバッグ
履歴書は不要です。スキルシートが代わりになります。
また、会社案内や資料を渡されることもあるので、A4サイズがしっかり入るバッグがおすすめです。
顔合わせ当日の流れ
STEP1 営業担当と待ち合わせ
派遣先ビルのエントランスで、派遣会社の営業担当と合流します。
15分前集合が一般的です。
営業担当とは、この日が初対面というケースも珍しくありません。
STEP2 スキルシート確認
営業担当が持参したスキルシートを確認します。
この時間はかなり重要です。
- 派遣先が求めている人物像
- 前任者の情報
- 聞かれそうな質問
- アピールポイント
こういった内容を、ここですり合わせます。
営業担当がどこまで準備してくれているかで、顔合わせのやりやすさがかなり変わります。
STEP3 入室・挨拶
時間になったら、営業担当と一緒に入室します。
最初は笑顔で挨拶できれば十分です。
STEP4 業務説明
仕事内容や職場環境、働き方について説明を受けます。
メモを取ること自体より、「ちゃんと話を聞いているか」を見られている感覚はありました。
メモばかりに集中するより、相手の目を見て聞く方が印象は良かったです。
STEP5 自己紹介
自己紹介は1〜2分程度が目安です。
営業担当が代わりに紹介してくれる場合もあります。
内容としては、
- これまでの経験
- 得意な業務
- 活かせそうなスキル
を簡潔にまとめれば十分です。
STEP6 質疑応答
ここでは、派遣先から質問を受けたり、こちらから逆質問をしたりします。
よく聞かれる内容は次のようなものです。
- これまでの経験
- 通勤時間
- 残業対応の可否
- ソフトの使用経験
逆質問では、
- 職場の雰囲気
- 1日の流れ
- 服装ルール
- 指揮命令者の雰囲気
などを聞くと自然です。
逆に、給与や交通費などの条件面は、その場では聞かず派遣会社経由で確認するのが基本です。
STEP7 職場見学
デスクや休憩室、実際のフロアを見せてもらえることがあります。
一緒に働く人の雰囲気は、この時にかなり見えます。
STEP8 終了後の意思確認
顔合わせ後、営業担当とエントランスへ戻って「どうでしたか?」と確認されます。
ここで断ることも可能です。
違和感があった場合は、正直に伝えて大丈夫です。
顔合わせで私が見ているポイント【体験談】
40社以上を渡り歩いてきて気づいたのは、仕事内容より「空気」を見た方がいいということです。
顔合わせの場でわかることは、思っている以上にたくさんあります。
実際の業務を確認する
私は「できれば、実際に作る資料を見せてもらえますか」とその場で聞きます。
どんなソフトを使っているか、どんな作り方をしているか、さらっと確認するためです。
知らない技術や使ったことのないソフトがあれば、その場で正直に伝えます。
そして「わからないことが出てきたとき、聞ける環境はありますか」も必ず聞きます。
聞ける人がいるかどうかは、長続きするかどうかに直結するからです。
実際に働く執務室を見せてもらう
顔合わせは会議室や応接室で終わることが多いです。
でもそれだけでは職場の実態はわかりません。
私は事前に派遣会社の営業さんに「絶対に執務室を見たいから、振ってね」と頼んでおきます。
先方から案内がなければ、自分から「実際に働く場所を見せていただけますか」と申し出ます。
断られることはほぼありません。
空間・設備で見るポイント
- 自分が座る席の状態(直近まで誰かが使っていたか、しばらく空いていたかは見た目でわかる)
- デスク周りや通路が整理されているか、書類が山積みになっていないか
- OA機器が極端に古くないか
- 椅子の状態(短期案件ではパイプ椅子のこともある。腰への影響が大きいので確認する)
- 電話の頻度、外線が何本あるか、鳴りっぱなしになっていないか
- 空調が極端に暑い・寒い感じがしないか
- 給湯室や休憩室が清潔か
- ほこりっぽくないか(私はほこりとカビのアレルギーがあるので、感知したら断る判断材料にしています)
トイレは、派遣先の人と別れてからエレベーターホールで営業さんに「トイレだけ見てきていいですか」と聞きます。
個室の数、私物の出しっぱなしがないか、清潔かどうかを見ます。
毎日使うところなので、ストレスない環境かチェックします。
人・雰囲気で見るポイント
- 社員同士の話し方がきつくないか(「静か」と「ギスギス」は違う)
- 誰か一人だけ険しい顔をしていないか
- 働いている人の表情(誰も笑顔がない、みんな疲れ切っている、は気になります)
- 軽く雑談している、挨拶が自然、穏やかな空気、こういう職場は長続きしやすい
- 派遣社員が何人いるか、長く働いていそうか、デスクが隔離されていないか
- 同じ部屋で働く女性はいるか、正社員か派遣かの雰囲気(技術系は服装でなんとなくわかる)
- 面接官が指揮命令者になることが多いので、その人との相性を見る
エレベーターホールで確認・交渉する
派遣先の人と別れた後、エレベーターホールで営業さんに気になったことを正直に伝えます。
「椅子がパイプ椅子でしたが、別の椅子を用意してもらうことはできますか」といった交渉は、案外通ることがあります。
改善できそうなものなら、言って動いてもらえるか確認してから判断するのも手です。
仕事内容は書類でもある程度わかります。
でも職場の空気は、その場に行かないとわかりません。
顔合わせの時点で違和感を覚えた職場は、働き始めてからも合わないことが多くありました。
逆に、雰囲気が穏やかだった職場は長く続くことが多かったです。
顔合わせは「見られる場」であると同時に、「自分が見る場」でもあります。
顔合わせ後〜合否連絡まで
合否は早ければ当日中、遅くても翌日くらいには連絡が来ることが多いです。
その後、出勤日や手続きの案内がショートメールなどで届きます。
また、顔合わせで見送りになっても、すぐ別案件を紹介されることは普通にあります。
実際、同じ企業で別ポジションを後日紹介されたこともありました。
「今回は合わなかった」くらいで考えておく方が気持ちは楽です。
同行する営業担当によって進めやすさは変わる
顔合わせに来る担当者によって、進めやすさはかなり変わります。
経験豊富な営業担当だと、場を自然に回してくれたり、こちらが詰まった時にフォローしてくれたりします。
逆に、慣れていない担当者だと、全部こちら任せになるケースもあります。
エントランスでの事前すり合わせが雑だった場合は、少し身構えておくと安心です。
私が実際に経験して驚いたこと
派遣会社の新人営業の研修を兼ねた同行だったことがある
新人営業の研修を兼ねて同行されるケースがあります。
悪いことではありませんが、進行がぎこちない場合もあります。
違和感のある質問をされたことがある
派遣先担当者が面接慣れしていない場合、びっくりする質問が飛んでくることがあります。
過去には、飲み会参加を強く求めるような話をされたこともありました。
「ちょっとおかしいな」と感じたら、無理に合わせる必要はありません。
スキルチェックを求められたことがある
過去には、顔合わせの場でExcelの問題を解かされたことがありました。
顔合わせは本来、仕事内容や職場環境を確認する場です。
派遣先が特定のスタッフを選ぶための筆記試験や適性検査などは、派遣制度の趣旨に照らして問題になる場合があります。
もし顔合わせの場で事前の説明にないテストを求められたら、焦って対応する必要はありません。
「派遣会社の担当者から聞いていなかったので、確認してもよろしいですか」とその場で担当者に振るか、終了後に相談してみましょう。
気になることがあれば、派遣会社へ相談すると安心です。
よくある疑問Q&A
Q. 顔合わせは断れますか?
断れます。
終了後の意思確認で「今回は辞退したい」と伝えれば問題ありません。
Q. 落ちたら終わりですか?
ほとんどの場合、また別の案件を紹介してもらえます。
Q. 複数の派遣会社から同じ企業を受けられますか?
基本的には避けた方がいいです。
後でトラブルになることもあるので、他社応募状況は正直に伝える方が無難です。
まとめ
- エントリー後に社内選考がある
- 事前の企業リサーチはかなり重要
- 当日はスーツ+A4バッグが無難
- 営業担当との事前すり合わせが大事
- 顔合わせは「確認の場」だけど実際には見られている
- 合わないと思ったら断ってOK
- 顔合わせは「見られる場」であると同時に「自分が見極める場」でもある
顔合わせは、最初はかなり緊張します。
でも実際に何度か経験すると、「企業との相性確認の場なんだな」と感じるようになります。
必要以上に怖がらず、事前準備だけしっかりして臨めば大丈夫です。

