顔合わせが終わった後、返事が来るまでの時間は、落ち着かないものです。
「手応えがなかった」と感じると、なおさらです。
また、顔合わせの前後や、就業が決まった後に、「やっぱり辞退したい」と思うこともあります。
この記事では、顔合わせの後の連絡と結果待ち、手応えがなかった時の考え方、そして辞退したくなった時の伝え方を、順番に書きます。
派遣歴30年以上、派遣先40社以上の私が、実際に経験したことをまじえて紹介します。
なお、連絡の時期や進め方は、派遣会社や派遣先によって違います。
この記事は、私の経験をもとにした一例として読んでください。
顔合わせの後、連絡はいつ来る?
連絡が来るまでの時間は、案件によってさまざまです。
早ければ、当日中に連絡が来ることもあります。
私の場合、一番早かった時は、顔合わせが終わってから30分以内に、電話がありました。
翌日に連絡が来ることもあり、派遣先の手続きや、派遣会社とのやり取りによって、時間は変わります。
結果を待つ間にできることは、次の2つです。
- 返事がいつごろ来るのかを、派遣会社の担当者に聞いておく
- ほかの求人への応募や、顔合わせを止めない
「いつごろまでにわかりますか」と聞いておくだけで、あいまいに待たされる時間は、減らせます。
手応えがなかったことに落ち込んで、ほかの動きまで止めてしまうのが、一番もったいないと思います。
手応えがなくても、それだけで結果は決まらない
顔合わせで感じた手応えと、実際の結果は、必ずしも一致しませんでした。
私が経験した顔合わせの中から、実際にあったことを、いくつか紹介します。
派遣先の担当者が、顔合わせに慣れていなかった時
「初めて派遣社員の顔合わせをするので、失礼なことを聞くかもしれませんが」という前置きから始まった顔合わせがありました。
実際に、かなり踏み込んだ質問が続きました。
担当者は、用意してきた質問のリストを進めることに必死で、私が少し話を広げると、「横道にそれた」とぼやかれました。
結果は、「初めてだったので、ほかの人も見てから決めたい。とりあえずキープで」でした。
気になる発言があった時は、顔合わせの後に派遣会社へ確認してよいと思います。
最後に、決裁をする人が「いらない」と言った時
現場の担当者が、最後まで前向きだった顔合わせもありました。
ところが、終了の間際に、それまで担当者の隣に座っていた部長が、初めて口を開いて、「今は人が足りているから、派遣はいらない」と言いました。
それまでの会話には十分な手応えがあったので、驚きました。
この2つの経験から、私は、顔合わせの手応えだけで、結果を予想するのは難しいと感じています。
こちらへの関心が薄く感じられても、担当者が慣れていないだけのことがありました。
逆に、手応えがあっても、社内の事情で、話がなくなることがありました。
顔合わせの後、細かく感想を聞かれた時
顔合わせが終わった後、営業担当に、「どうでしたか」「なぜ断ろうと思いましたか」と、細かく聞かれたことがあります。
慣れていない様子の営業担当との顔合わせで、そうなったことが、印象に残っているだけでも3回あります。
最初のうちは、丁寧に答えていました。
でも、細かく答えるほど、自分が疲れていくのを感じました。
負担に感じる時は、「特にありません」と答えて終えても、問題ないと思います。
話したい範囲だけ伝えれば、十分です。
見送りになった時
顔合わせの後に、案件が見送りになることもあります。
見送りになった理由は、派遣会社からも、はっきり聞けないことが多いです。
私は、見送りになったからといって、自分のスキルや印象のせいだと、決めつけないようにしています。
見送りになっても、すぐに別の案件を紹介されることは、普通にあります。
実際に、同じ企業の別のポジションを、後日紹介されたこともありました。
「今回は合わなかった」くらいに考えておくと、気持ちが楽です。
辞退したくなった時は、タイミングで考え方が変わる
派遣の仕事は、紹介の電話の時点でも、顔合わせの後でも、就業が決まった後でも、事情が変わって、辞退したくなることがあります。
辞退したい気持ちが出たら、まず、派遣会社に意思を伝えましょう。
ただし、辞退するタイミングによって、重みは違います。
紹介の電話を受けた直後と、すでに就業の準備が進んでいる段階を、同じように考えることはできません。
私自身、紹介の電話の時点、顔合わせの前、顔合わせの後、そして就業が決まった後の、すべての段階で、辞退した経験があります。
紹介の電話の時点、詳しい条件を聞いた時点
最初の電話の時点で、断ることができます。
希望の職種ではない、通勤時間が長い、時給が低い、残業が多い、など、希望と違う時は、無理に進める必要はありません。
詳しい条件を聞いてみて、イメージと違った時も、同じです。
この段階で断るのが、お互いにとって、一番負担が少ないと思います。
断り方の例です。
「せっかくご紹介いただいたのですが、○○(通勤時間など)の条件が希望と少し異なるため、今回は見送らせていただきます。
また別の機会がありましたら、よろしくお願いいたします。」
顔合わせの前
顔合わせの日程を調整している間に、別の派遣会社から、条件のいい案件が入ることがあります。
複数の案件を同時に進めること自体は、派遣ではよくあることです。
ただ、どちらかに決めたら、もう一方には、早めに連絡を入れます。
顔合わせが決まると、当日同行する営業担当の携帯番号を、事前に教えてもらえることがあります。
体調不良や急な事情で、前日や当日の朝に行けなくなった時は、メールより、その番号に電話するほうが確実です。
なお、その日に行けないことと、仕事そのものを辞退することは別です。
日程を変えて参加したい場合は、その意思も電話で伝えます。
顔合わせの後
顔合わせが終わって、営業担当に「いかがでしたか?働けそうですか?」と聞かれた時に、無理に「前向きに考えます」と答える必要はありません。
合わないと感じたなら、その場で伝えるほうが、お互いのためになると思います。
断り方の例です。
「本日はありがとうございました。
正直に申し上げますと、職場の雰囲気が自分には少し合わないように感じましたので、今回は辞退させていただきたいです。」
その場では保留にして、後から断る時は、担当者に言われた返事の期限までに、連絡します。
私自身、顔合わせの後に辞退して、派遣会社から強く引き止められたことはあります。
ただ、それが理由で、紹介が来なくなったことはありません。
就業が決まった後の辞退は、契約の状況を確認する
就業が決まった後の辞退は、これまでの段階とは違います。
派遣会社も派遣先も、就業に向けて準備を進めているからです。
この段階では、働くことが難しくなった意思を早めに伝え、あわせて「派遣会社との間で、労働契約がどこまで進んでいるか」を確認することが大切です。
派遣会社から「就業が決まりました」と連絡が来たことと、派遣会社との労働契約が成立していることは、同じとは限りません。
また、労働契約は、書面がなくても、労働者と使用者が内容に合意していれば成立するとされています。
書類が届いていないから、まだ契約前だ、と決めつけることはできません。
合意した内容と時期を、派遣会社に確認しましょう。
契約がまだ成立していない場合、成立したか確認中の場合
まだ派遣会社と、労働条件に合意していない場合や、合意したかどうかがわからない場合は、辞退の意思を、早めに伝えます。
あわせて、契約がどこまで進んでいるかも、担当者に確認しましょう。
時給や期間、開始日などで、確認中の条件があれば、その点も伝えましょう。
断り方の例です。
「ご連絡いただいた件について、大変申し訳ございませんが、辞退させていただきたくご連絡いたしました。」
契約が成立した後の場合
すでに契約が成立している場合は、単なる紹介案件の辞退とは、扱いが変わります。
厚生労働省の「確かめよう労働条件」には、次のように書かれています。
- 期間の定めのない契約の場合は、退職の申し入れから、原則として2週間で契約は終了する(民法627条)
- 期間の定めのある契約の場合は、契約期間の途中で退職するには、やむを得ない事由がなければならない(民法628条)
- やむを得ない事由なく退職して、会社に損害を与えた場合は、損害賠償の責任が生じるおそれがある
契約期間が決まっているのか、どんな事情があるのかによって、対応は変わります。
「決まったから絶対に辞められない」「書類がないから自由に辞退できる」と、決めつけないでください。
まず、派遣会社に、働けなくなった事情と意思を伝えて、契約をどう終わらせるかを、相談しましょう。
迷った時は、派遣会社に確認するほか、都道府県労働局の総合労働相談コーナーなどの公的な窓口にも相談できます。
連絡は、決めた時点で、すぐに行います。
できれば、電話で伝えて、内容をメールでも残しておくと、安心です。
電話で伝える場合の例です。
「お世話になっております。就業予定のお仕事について、事情が変わり、勤務が難しくなりました。契約の状況と、今後の手続きを確認したく、お電話しました。」
メールで伝える場合の例です。
件名:就業予定のお仕事についてのご相談
〇〇様
お世話になっております。△△(氏名)です。
先日ご連絡いただきましたお仕事の件ですが、事情が変わり、勤務が難しくなりました。
大変申し訳ございませんが、契約の状況と、今後の手続きについて、ご相談させてください。
ご調整いただいたにもかかわらず、申し訳ございません。
お手数をおかけしますが、ご確認の上、ご連絡いただけますと幸いです。
引き止められた時
私は、就業条件の書類を受け取り、就業の開始日まで決まっていた派遣先を、就業の開始前に辞退したことがあります。
この時点で、契約が成立していたかどうかは、書類を受け取ったことだけでは、判断できません。
条件は悪くない話でしたが、気になっていた別の案件の条件が、正式に固まったタイミングと重なり、そちらを選びました。
一度辞退を伝えた後、強く引き止められて、その場では保留にしました。
でも、時間を置いて考えても、気持ちは変わらなかったので、改めてメールで、辞退を伝えました。
一度の連絡で、話が終わらないこともあります。
そんな時は、相手を説得しようとせず、「検討しましたが、勤務は難しいです」と、落ち着いて意思を伝えます。
辞退する時に、大事にしていること
「何度も断ったら、紹介してもらえなくなるのでは」と、不安になる人は多いと思います。
私は、条件が合わない仕事や、ほかの案件に決めた仕事を、何度も辞退してきました。
それが理由で、紹介が来なくなったことはありません。
合わない仕事を無理に引き受けるより、条件の合う仕事で長く働くほうが、派遣会社にとっても良いのだと、私は感じています。
一方で、私には、若い頃の失敗があります。
就業の初日に、どうしても行く気になれず、正直に事情を話せないまま、連絡を絶ってしまいました。
その派遣会社からの紹介は、それ以来、ぴたりとなくなりました。
紹介が来なくなった理由を派遣会社に確認したわけではありません。
ただ、連絡を絶ってしまったことが影響したのではないかと、私は思っています。
辞退する時に、私が大事にしているのは、次の3つです。
- 早めに連絡する
- 音信不通にならない
- 嘘をつかない
本音をすべて話す必要はありません。
でも、嘘をつく必要もありません。
時給、通勤、仕事内容など、簡単な理由を伝えておくと、次の紹介に活かされることがある、と私は感じています。
派遣会社への遠慮で、無理に進めるより、自分に合った仕事を選ぶほうが、結果的に、みんなのためになります。
(出典:厚生労働省「退職、解雇、雇止めなど|確かめよう労働条件」、兵庫労働局「労働契約等・労働条件の明示」)
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